藤井亜紀

藤井亜紀

FUJII Aki

所属科
音楽教育科
職名
准教授
専門分野
器楽(ピアノ)
instrumental (Piano)

プロフィール

  • 東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校 ピアノ専攻 卒業(1987)
  • 東京藝術大学音楽学部 器楽科 ピアノ専攻 卒業(1991)
  • ドイツ・ミュンヘン音楽・演劇大学 大学院マイスタークラス 修了(1995)

専門分野や研究について

専門はピアノです。私の研究テーマのひとつである「母語が音楽に与える影響」は、留学先のドイツでともに学んだ様々な国籍を持つ留学生との生活、15年におよぶハンガリーでの音楽活動、そして、20ヵ国以上訪れた旅の経験が柱となっています。それぞれの言語が持つ抑揚やアクセント、母音と子音の響きは音楽そのものであり、民謡や民俗舞踊の音型やリズムにも反映されています。民謡や民俗舞踊には、時代を超えて大切に受け継がれてきた人々の精神性が色濃く現れていますが、次世代を担う学生達とともに、さまざまな国の伝統文化についての知見を深めつつ、日本の伝統文化の魅力を再発見しながら、その存在意義についてあらためて考えていきたいと思っています。

講義/ゼミについて

ピアノレッスン、伴奏法、ピアノ初心者を対象にした弾き歌いの技術習得のための授業(小学校音楽B)などを担当しています。ピアノレッスンにおいては、それぞれの学生のレベルに応じながら、特に学校現場でも即戦力となる初見力、読譜力の強化を図っています。さらに、楽譜から時代背景や作曲家の思想や心理、言葉を読み取る技術、それを演奏によって伝える技術の習得を目標に掲げています。ピアノ演奏は音楽の主要な要素である旋律、和声、リズム等を一人で担うことから、アプローチ次第でオーケストレーション、アンサンブル、ダンス、呼吸法を主とした声楽的要素まで広く学ぶことができるのです。

高校生へのメッセージ

古代ギリシャ時代に遡ると、音楽は数学とならび哲学の基礎であると考えられていました。その教養思想はやがて古代ローマ時代には、文法、修辞学、論理学、算数、幾何、天文、音楽の自由七科からなる「リベラルアーツ」として体系化されました。音楽はまさに「音を楽しむ」ものであると同時に、人間や社会、自然を理解するために無くてはならない学問のひとつです。そして、時代や国境、人種を超えることができる扉でもあります。「音楽を通して、自由に思考する、視野を広げる、そしてその先の世界と繋がる」喜びを、学びを通して積み重ねていってほしいです。