鈴木恵太

鈴木恵太

SUZUKI Keita

所属科
特別支援教育科
職名
准教授
専門分野
障害児心理学・発達障害学
Psychology for children with Disabilities・Developmental Disabilities

プロフィール

  • 東北大学教育学部(1999年)
  • 東北大学大学院教育学研究科博士課程前期課程 修士(教育学)(2002)
  • 東北大学大学院医学系研究科博士課程 博士(医学)(2006)

専門分野や研究について

私の専門分野は特別支援教育です。特に『特性理解と指導』をキーワードに研究を進めています。
発達に障害のある子ども達は、その障害特性から学習面や行動面に様々な困難さを示すことがあります。そのような困難さに対して効果的に指導や支援を行っていくには、まず前提として、彼らの示す心理や行動の特性と機能的背景を理解することが重要です。困難さの原因に加えて、一人ひとりの長所や短所を理解することで効果的な関わり方が実践しやすくなるからです。実は、この理解の過程にはすべての子どもの「発達」や「学び」を理解する大きなヒントがあります。この意味で、特別支援教育は “特別な” 対象や教育方法を指すのではなく、すべての人に普遍的で “特別でない” ものでもあるのです。
研究室では、発達に障害のある子どもやその傾向にある者、さらにはすべての子どもに対して、より良い教育の提供を目指して、特に、学習に関わる認知的特性の理解や評価、そして特性に応じた指導法に関するいろいろな研究を進めています。

講義/ゼミについて

学部3年生から本格的に始まるゼミ活動は、大学での学びの集大成とも言える卒業論文作成に向けた非常に重要かつ学びの多い活動です。
鈴木ゼミでは、原則、週に1回の頻度でゼミを行い、論文や実践について活発に議論所属する学生が各々の研究主題を持ち日々主体的に研究活動に取り組んでいます。
ゼミで取り組んでいる研究の一例を紹介しましょう。「認知特性に応じた効果的な学習法の開発」です。学習内容を理解する方法は1つではありません。見る力や聞く力など学習に関わる認知機能を理解し、個人の特性(認知的な長所や短所)に応じた学習方法を考えることで効果的に理解を促すことができるのです。研究では、特性を把握するための「評価法の開発」や、特性を踏まえた「効果的な指導法の開発」について、地域の学校と協力して行ったり、実際に子ども達に教えたりと、教育現場での実践を通した活動を行っています。ゼミ生は、実際に子ども達を相手にすることで、認知特性や発達を捉える力を身につけるとともに「教える」という難しさや楽しさも学んでいきます。

高校生へのメッセージ

近年、多様な人々と共生する社会の実現に向け、インクルーシブ教育の推進が図られています。「インクルーシブ教育システム」とは「人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組み」のことを指します。障害のある人もそうでない人も全員が自分の力を精一杯発揮できる教育の場を目指し、その実現のために必要な様々なことを『広く・深く』学ぶのが特別支援教育コースです。もちろん一筋縄ではいきません。4年間の学びだけでは十分ではありません。卒業後も常に学び続ける必要もあります。
すべての子ども達のために活躍する『学び続ける教員』を一緒に目指しましょう。